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モラルとルール

「若者のモラルの低下」が叫ばれている。けれど世間を見渡してみると若者と一くくりにはいえないと思う。

日本人全体のモラルが低下しているような気がする。
モラルは人間にとって必要不可欠な人として守るべき道(倫理や道徳)である。
人間の社会関係や行為を律する決まりがそれである。
悪い意味の本能や欲求に駆られて自分さえよければいいという生き方をする人が増えている。
モラルが無くなってしまっては人間もすでに動物と変わりないと思う。
モラルを合理的に解釈し実践させるために作られたのがルールである。
けれどこの合理的なルールは、ぎりぎりのラインで罰則に至らない利口な大人や
ルールすら守れない若者たちを生み出した。
合理的なやり方は残念なことに心までは育てない。
心が育たないから細部にわたるルールまで増える一方で、いつの間にかあまりに多すぎるルールは
いったい本質は何だったのかを忘れさせてしまったのかもしれない。
ちょっと前なら常識として細胞の中に組み込まれていたようなことが自然な行動として出てこない。

何の理由もないルールなど存在しない。すべてのルールの本質を解釈して
人間らしい生き方を心がけるべきだと思う。
畜生と同類に見られたくなかったら、心を取り戻すべきだと思う。

昔の人が義務教育の必要性を訴えたのは、合理的に生きる人を生み出したかったわけではなく
物事の本質を見極める基本的な力を平等に与えたかったからだと思う。

ルールを突きつけられたとき、それを合理的に解釈するのではなく
本質は何なのかを考える余裕を持ちたいと思う。
ルールを決めなければならない状況が発生したとき、罰則で縛りつけるより
その本質を伝える努力をしたいと思う。

「モラル」とは、「例え誰に見られても知られても、恥ずかしいことでも間違ったことでもない」と
言い切れる行為だと思う。

見た目が人間なのなら、子供でも若者でも大人でもそれ相当のモラルは失ってはならない。

どうあがいても私たちは人間である。だから人として恥ずかしくない生き方をしたい。

社会生活のすべてのルールの本質はモラルだということをもう一度私たちは思い出すべきだと思う。

                                                                                By 川留

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