歴史の中に「今」があることを、いつも意識できる人でありたいと思っている。 過去の上に現在が成り立っていること、昔のあとに今があること。昨日があったから今日があること。 実に単純な紛れもない事実だけど、単純なだけに忘れがちなことだとも思う。 「時代が違う」とか「世代が違う」とか良く聞く言葉だけれど、 今の時代もその世代も間違いなくそれまでの歴史の流れで生まれ出たものなのだから 歴史を無視した考え方には賛成できない。 けれど、過去や歴史ばかりにこだわる考え方もあまりいいとは思えない。 「今」を生きることに夢中になりすぎて、時として「過去」を忘れることがある。 その反対に、「過去」の栄光にこだわって「今」をただ嘆いて生きることもある。 「時」がめまぐるしく過ぎていくから「今」と「過去」を別の次元で考えて 物事がややこしくなっていくのではなかろうか・・・と考えている。 「今」も「過去」も同一線の延長上に成り立っていると認識すると もっと広い視野で物事を考えることが出来るような気がする。 たとえば「今」、「結果」として位置づけられているようなことでも、未来から眺めたとしたら、 それは単に「経過」でしかない。長い歴史の中ではほんの一瞬の出来事でしかない。 「今」は間違いなく過去になるし、いつかは歴史になるのだから、 それまでの歴史を踏まえて「今」を考えるように、さらに未来を考えるように努めてみたい。 政治とか経済とかそんな大げさな問題でなくても、個々のそれぞれの人生にも必ず歴史はある。 それぞれの歴史をいつも念頭において「今」と「未来」を考えられたら、とても前向きに生きていけるような 気がするし、さらなる進歩も期待出来ると思う。 時代は変わる。けれどそれまでの歴史は決しては変わらない。 新しい時代は必ず「歴史」の中で作られる。「昔」も「今」も「未来」も同一線上に成り立っている。 「昔」と「今」と「未来」を、切り離して考えることはとても難しい。 By 川留 次へ