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優しいことは優しくない

「はあ?」・・分かります。みなさんの?な、お気持ち。

優しいことがやさしくなかったら一体何が優しいんだぁ!,とお怒りですね。まあそう焦らずに・・。

「あーと」はご存知のように厳しいことでシゴク評判が良いようで・・・(苦笑)。

子供にしても当然大人だって、叱られることは好きじゃない。

私ももちろん好きじゃない。誰がなんと言おうと気分のいいものではない。例え「貴方のためだから」といわれても厳しくされるのはおもしろくない。

出来ることなら、ほめられて人生を過ごしたい。そっちのほうが断然気分が好いに決まってる。と・・自ら語る私がなぜいつも大声でほえまくっているか

・・今回はこの謎を解明してみようと思う。

人様の舞台を見に行ったとき「おもしろくない」とか「なんか下手だなあ」とか「これがバレエっていえるのかしら?」「え?こいつがダンサー?」・・そんなこと思ったことないですか? 

凄くいけないことだと脳みそでは理解していても、そう考えている自分と出逢ってしまう事がある。

会場中のお客様がみんなそんな見方をしているわけではない。

でも、私が思ってしまうように、きっといるはず、そんなヤナヤツ

それを回避するために人様に披露する舞台となるとかなり熱くなってしまうらしい。

「可愛い生徒のため」という美しいものとも少し違う気もする。

「スタジオの為」・・?これもなんだかしっくりこない。

「自分のため」?・・ちょっと離れてきたような・・。

手っ取り早く言うと、なんですよ。私の知らないところで、「あーと」の会員や私にかかわる人が他人に後ろ指を指されたりするのが・・。異常にムカつく自分を予想できてしまう。

私自身の中で正確に解明は出来ないけれど、ただ単純にとにかく誰にも、誰のこともくさされたくないと思っていることは確か。
人を成長させるのは、緊張感だとずっと前から思っている。

優しいことや楽しいことに緊張感が伴えばそれに越したことはないけれど、そんなおいしい話には最近出逢ったことはない。

そのせいか、いつのころからか自分の中に優しいことは優しくない・・と変な哲学を持っている。 

今この場所で優しくしても後で苦労したり、中傷を浴びることが予想できるなら、

今この場所で厳しくして後に心地よく過ごせるようにすることが優しさだと私は勝手に思っている。

私以外の人に中傷を受けない踊り手を育てて始めて私の責任が果たせたような気になるのかもしれない。

キャリアや年齢や性格や状況などを全てひっくるめて、現時点のその踊り手の私の考える最高レベルまでもっていければ満足である。

それでもなお、誹謗中傷をする人が存在したとしても、私の中で、それは「ねたみ」として消化されるから、

なんら問題は生じない(なんだか、かなり勝手なような・・)。

「厳しいことが優しい」とまで言うつもりはないけれど、「優しいことは結果として優しくない」ことが多いと思う。
「言われるうちが華」・・若い世代の人に言ってもなかなか実感などないだろうけれど、これは紛れもない事実である。この年齢で偉そうな生き方をしているから、私に指摘や注意をしてくれる人はとても少なくなってしまった。限られたそういう「優しい人」の言葉を心して聞いて、謙虚に受け止めようと考えている。

その言葉はきっと私自身を将来のなんらかの危険から守ってくれる「優しい言葉」なのだから。    

                                                                         By 川留
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