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第23話

エンディングは、ばななさんの送ってくれたイン・ザ・ムードで緞帳が上がる。
お客様は、さぞビックリなさったことでしょう。
私は、人を驚かすのが大好き。意外なことをやるのは、もっと好き(爆)!
バレエの全幕舞台のエンディングで、ジャズが流れても、いいじゃんか☆まさか訴えられるようなことはあるまい・・・(爆)。

スタジオのサイトのBBSで呼びかけをして、私達のために、雪の降る町からMDになってやってきたイン・ザ・ムード。エンディングを飾るにはもってこいで、聴いた瞬間にこれに決めた(ばななさん、みっちゃん、ほんとにありがとう♪)。

過去2回のエンディングとは違って、黒服軍団も思い切り最後は華々しく舞台に上げることにした。緞帳の降りた舞台の中で一列に並ぶとき、私は黒服軍団の顔も出演者の顔もまっすぐ見ることが出来なかった。
ただ手を上げて、自分がセンターであることだけを示していた。

緞帳が上がったら、うれしそうな・・というか・・満たされた顔、かお、カオが視界に入った。お客様は温かな大きな拍手で黒服軍団を迎えてくれたのだ。

各出演者を紹介し、ゲストの先生方、バレエの神様 涌井先生も舞台に上がっていただいて、手を振るお客様に精一杯、手を振り返して「あーと・かんぱにぃ」の初の全幕の舞台は終演したのだ。

すぐに涌井先生のところに駆け寄ったら、先生がおっしゃった。
「川留さん!ここまでよーやったわ、情熱やね!成功やね!」

この時の先生の言葉も、差し出された先生の手のぬくもりも、私は一生忘れない。

黒服軍団と私は、お客様のお見送りをするために、ロビーへ走る。
「すっごい楽しかった。」「感動をありがとうございました。」「また、絶対に見に来ます!」そんな賞賛の言葉を体中に浴びた。

ニコニコとお見送りをしていたら、お客様が近付いてみえて・・おっしゃる。
「涌井先生にサインを頂きたいんですけど・・・」
「あ・・・」
そうそう!調子に乗って先生の許可も頂かずに言っちまったし・・・。
また舞台に走り、先生を捜索。
大きく深呼吸して「せんせ・・・あの・・・サインなんて・・・書いていただけませんでしょうか?」(ドキドキ ドキドキ・・・冷汗)。
「はい、サインですね。いいですよ!」。
ほっ・・・(苦笑)。
お一人かと思っていたら、あっという間に行列が出来てしまった(さらに苦笑)。

楽屋と舞台は、撤収作業が続いている。放心状態の終演後のこの作業は一騒動だったりする(爆)。相変わらずバタバタと走りまくっている私(苦笑)。

3人の神様とKさんと出演者の希望者だけで、心ばかりの打ち上げをして、一日の大騒ぎを語り合って、涌井先生とKさんを常宿(?)へ送り届けたのが深夜の12時を過ぎていた。

トロトロとチビ車を転がし我が家へ向かった・・。
帰り着いてからよくよく考えてみたら、私はサザン(ホール)でも、打ち上げの会場でも一回もトイレに入っていない(爆)。極度の緊張は尿意すらもよおさないらしい・・・。

「あたしゃ、よく頑張った!」。とりあえず、自分を褒めて眠りについた(苦笑)。

長い長い2日間がようやく終わった。ほんとーーーーに長かった。


エピローグ

本番翌日、私には重要な任務がある。涌井先生とKさんを空港に送り届けるのだ。
脳みそは完全に飽和状態(苦笑)、ハンドルを握ると小指が痛む(爆)。
それでも、涌井先生やKさんが舞台のことを褒めてくださって、私はうれしくてうれしくてしょうがなかった。約1時間の道のり、高速を降りて、もうそこは・・空港というところで突然先生がおっしゃった。
「そやけど・・川留さん?今回の舞台装置、けっこうかかるでしょ?よかったもん、道具も照明も・・・」
「あ・・・」一気に現実の世界へ引き戻される私(苦笑)。
なんとか気を取り直して「先生、今日だけは支払いのことは忘れたいと思うので、考えないことにしましょう!(苦笑)」と、明るく提案してみた。Kさんも、私の味方をしてくれた。「先生!今日ぐらいは休ませてあげてください!!」

「ああ・・そうね・・今日ぐらいは・・そうね・・頑張ったから・・」
そういってくださったので、その事はあとで考えることにした(おい、おい、苦笑)。

あと1分で空港へつくというとき・・・、先生は指まで使って何かを数えていた。
「一枚、二枚、三枚・・・雪が・・一枚でしょ?袖に二、三・・枚・・」。

どう聞いても、ドロップの枚数に違いない。・・・。
「せんせぇー!!!」(By Kさん&私)。

こうして、夢の全幕は、容赦なく現実を突きつけてくるのであった(爆)。

おわり。

追伸(?)・・・。

この作品は、開設5年にして、全幕舞台に挑戦してしまった(苦笑)「あー と・かんぱにぃ」のドタバタの舞台裏を元に、ついつい書いてしまった実話です(爆)。楽しく読んでいただくために、一部、キンカンがボンタン(注:鹿児島 弁で物事を大げさに言うこと)な、表現がありますことをお許しください(苦笑)。

追伸:しつこいようですが(爆)・・次回は「自作解説」です。気が向いたら、読んでください。

 

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クラシックバレエ
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