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第4話

ウチン家のチビ車は軽なので(爆)、たくさんの人は乗せられない。私は涌井先生とアツコを乗せることにして、クララのお母さんに梅野先生を運んでいただくよう頼んだ。
アダジオがはじめてのクララは少しでも梅野先生になつかせる必要がある。クララは年頃なのか案外人見知りが激しい。これも私の作戦だったりする(しょうもないけど・・苦笑)。

涌井先生とアツコを車に乗せると、アツコは妙におとなしい。いつもは機関銃のようにしゃべるのに、黙ってる・・。本番前の緊張?いや違う・・。涌井先生と 一緒にいると緊張するらしい。ここだけの話(どこよ?それ?・・爆)、多分彼女は本番よりも先生の目の前で踊るときの方が緊張するのだ。そこで言ってみ た。「あら、あっちゃんおとなしいね?どうしたの?」「え?どうもしないですよ」(嘘だ!顔が引きつってる・・爆)。

お問い合わせの話で盛り上がり、サザンホールについた。駐車場へ車を入れると黒服軍団が待ち構えている。「あ!お母さんたち」。一列に並び、しかも入り口 に近いところに駐車場も確保してあって誘導してくれた。「わお!ビップだあ??」。車を止めると涌井先生の座席のドアまで開けようとしている、あわてて ロックを外す私。

「おはようございます!!」奪い取るように手荷物をもち、ホールへご案内の体制になった。
「おはよう。」穏やかな先生の声にお母さんたちは絶品の笑顔。そのままホールへ。
「いいな。涌井先生は、私なんか一回もそんなしてもらったことないのに・・・」つぶやいてみたけど、応えてくれたのはアツコだった。「あ、社長イジケテル・・(爆)」。
イジイジしてみたけど、皆はホールへ向かうので、気を取り直して(?)事務所にご挨拶に向かった。「おはようございます!今日もお騒がせします!!」うちのリハの定番のご挨拶だ。
「はいどうぞ、宜しくお願いします!」といった彼は、私の顔を見てちょっと吹き出した。
「あ・・何?今なんかフッて??」といったら「え?あ・・ラジオ思い出して。」と又笑った。そうそう、彼は偶然私の出演したラジオを聴いていたのだった。テレながら後ずさるように私もホールへ向かう。そういえばレギュラー出演の話が来ないなぁ・・(爆)。

ホールへ入るとドロップが吊ってある。「全幕かぁ・・」一瞬だけ感傷に浸ってみたけど似合わないから(爆)舞台の神様の居所を目で探す。涌井先生にご挨拶 を終えた出演者が私の元へ駆け寄ってくる「おはようございます!宜しくお願いします!」「ハイ!おはよう!気合入れていきましょう!」うーんやっぱり 「あーと」の子は教育が行き届いている(^^。はっとしてSちゃんを探した。Sちゃんは、初めての大きな舞台で緊張から首が回らなくなったとお父さんから メールを貰っていた。「大丈夫か?」と声をかけたら「大丈夫!」と応えた。どうやら大丈夫そうだ。体調の悪そうな子もいない。ヨシ!
続いてお母さんたちが駆け寄ってくる。「社長!おはようございます。宜しくお願いします!」「コチラこそ」と応えてSちゃんのお母さんに状況が把握できていることを伝えた。

足を止めずにそのまま舞台へ駆け上がる。舞台の神様を探し当て「おはようございます!宜しくお願いします」と声をかける。舞台仕込み中の舞台の神様が、四 国からこの舞台のために大道具を運んできてくれたアステムさんを紹介してくれた。人件費のあまり払えない「あーと」のために、たった一人で徹夜でトラック を運転し鹿児島まで来てくれた方だ。床に頭がくっつくほど頭を下げて感謝の意を表した。

その間、涌井先生は例の「甲伸ばし機」と出演者に勧めている。うーん、よっぽどカマ足なんだなぁ・・(反省)。

舞台スタッフと思われる人、ホールの小屋付きの人、見知っている人にも見知らぬ人にも片っ端からご挨拶に駆け回る。「あーと・かんぱにぃです。どうぞよろしく御願いします。」
めったに見ることの出来ない腰の低い私である。

 

クラシックバレエ
あーとかんぱにぃ
〒891-0113
鹿児島県鹿児島市東谷山1-11-22
TEL.099-266-6234

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