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まえがき(三人の神様)

おっといきなり、宗教を語ろうと言うのではない。
私は無宗教者だから、すがるものも信じるものも生身の人間と決めている。
生存中から神様と呼ばれることを当のご本人たちがどう受け取っているかは知らない・・。
叱られるかもしれないから、聞かないことにしている・・(爆)。

私にとって第一の神様は当然、
涌井三枝子先生である。別名バレエの神様。
バレエを学ぶ人々にとって雲の上の存在。その指導力は国の内外で高く評価されている。縁あって、というか縁をつくって(苦笑)「あーと・かんぱにぃ」開設から5年、バレエ界の人々に羨ましがられながら、ホンモノのバレエのご指導を賜っている。
凡人とかけ離れた感性や行動は神様と呼ぶにふさわしい。


身分も技術もキャリアも全てひっくるめて忘れて「あーと」は「バレエは総合芸術であるべし!!」とこだわっている(爆)。「あーと」が舞台を行うときにまた「あーと」がバレエを語るときに、後二人忘れてならない神様が存在する。
「舞台の神様」宮本氏と「明かりの神様」吉永氏。3人の神様に支えられて初めて「あーと」の舞台は幕を開けることが出来る。

「舞台の神様」との出会いは、私がまだ母親として娘の初舞台に夢中になっていたころである。バレエの「バ」の字も知らなかったはずなのに、くそ生意気に私 は仕切り役を務めていた(大馬鹿者と笑ってください)。ただ偉そうに眺めていた。したら会場中に響き渡る声で怒鳴られた。

「自分たちの舞台だろ?お客さん気取りでいるんじゃないよ!!バレエやるならリノリウムの扱いぐらいい知ってるのが普通でしょ?」。叱られ慣れていない私は腰が抜けんばかりに驚いた。遅まきながら、指示を仰ぎ働き始めた。衝撃の出会いだった事は言うまでもない。

後で聞けば宮本梧郎氏は単に小屋付き(ホールの管理をする人)で、舞台の準 備など手伝ういわれなどなかったのである。誰も動かない状況を見かねて開演に間に合わないと判断した人の良い彼は、自主的に手伝ってくれていたのであっ た。私は、その宮本氏を当時の先生が依頼した舞台スタッフと思い込んで遠巻きに彼の仕事ぶりを眺めていたのだ。

怒鳴られて当然である。いきなり怒鳴られてとっても怖かったけど、私はいっ ぺんに宮本氏が好きになった。私の脳細胞が、「彼はホンモノだ!」と判断した。それからというもの宮本氏の迷惑も顧みず、一人で勝手になついている。舞台 のことを教えてほしくて、宮本氏のいる会館に通い始めた。そして舞台のことスタッフの仕事のことをくどいほどご教授願った。役者から裏方へと転じた彼は舞 台人としてのあり方や舞台スタッフとのかかわり方を少しずつ教えてくれた。

もしもあの時、宮本氏に出会わなかったら、今の「私」も「あーと」も存在しないと思う。

私に理想の形を見出させたその人である。

娘がバレエを習い始めたのをきっかけにバレエを初めとしていろんな舞台を良く見に行くようになっていた。時々「あ・・・」と思う舞台に出会うようになっ た。踊り手がどうのこうのという問題でなくて舞台全体が「あ・・・」なのである。他の舞台と何が違うのか素人の私には良く分からなかった。

何回目かに「照明だ!」と鳥肌をたてた。過去に「あ・・」と思ってきた舞台のパンフをもう一度良く見直してみた。

「照明・・吉永好人」。「この人だ!」。凄いものを発見して大興奮したのを今も良 く覚えている。それからというのも何かの舞台を見に行くときパンフレットを開いて一番初めに舞台スタッフのページをチェックするようになった。「照明・・ 吉永好人」と書いてあると、訳もなく嬉しくなっていた。
当時、遠くから何度も拝見したが、とっつきにくそうなコワイ感じがした。でも紛れもなくホンモノの技術屋であり芸術家に見えた。

この二人の神様がほぼセットモノ(?)だと、気がついたとき「やっぱしーーー!!」と
再び大興奮した。二人が舞台の裏方を務めてくれたら、凄いことになるだろう・・・。
当時、娘の通っていた教室の先生に「いつか二人にやってもらいたいですね」と夢を語ったものだった。

時は流れ、すったもんだがあって、私は何故かバレエ屋(?)になってしまうわけだが、右も左も分からない世界で宮本氏にべったりくっつくこととなる。なか なか言い出せなかったけれど、ついには宮本氏に吉永氏への憧れを告白した。いつか舞台が出来るほどになったら絶対に二人に御願いしたい!と力説したのだっ た。

遠い未来のことだろうとユメユメしく思っていたら、バレエの神様「涌井三枝子先生」と出会うことにナリ、あれよあれよと言う間に舞台の段取りが決まっていって、メチャメチャ近未来で心の準備もままならず、感動に浸る時間さえもなく、
涌井先生、宮本氏、吉永氏の3人の神様が勢ぞろいし旗揚げ公演とあいなった(開設から半年後のことである・・・泣)。

以来、3人の神様のご迷惑も顧みず、すっぽんのごとく食らえつく私。
調子をこいて、4度目の舞台にして全幕などと不届きなことをほざいている。
けれどあきれることなく付き合ってくださる3人はやっぱり神様だ。

「いい舞台にしようね」3人の神様にそういっていただけるのが、何より嬉しい。

BY 川留
それでは、連載スタートです(爆)
クラシックバレエ
あーとかんぱにぃ
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